「悪い子ではない」これはあくまでその人をフォローする表現です。しかし、“悪い子ではないけれども…”とは、褒めているわけでもありません。
身近に、ちょっと空気の読めないズレた感じの友人がいる。確かに、悪い子ではありません。ただ、その場で的確な発言ができているか、と言えばそうではありません。
もしかしたら、その子は意図せず誰かを傷つける表現をしているかもしれません。そんな、ちょっと周囲とのズレを感じる友人への、うまい接し方はないのでしょうか。
今回は、いつも間違った褒め方で気分を悪くさせる友人への、上手な接し方についてご紹介したいと思います。
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指摘した方がいい?
たとえば、新しい髪型にした女友達に対して、とりあえず良いところを見つけて褒めよう、と思うでしょう。「似合ってるよ」「さっぱりしたね」「雰囲気変わったよね」などなど。
ところが、ちょっとズレてる友人は「あ!ウルトラマンに出てくる、ダダに似てる!」(ダダ…ウルトラマンシリーズに登場する架空の怪獣、別名「三面怪人」。白黒の幾何学模様が特徴)
本人はもしかしたら、ダダにすごく魅力を感じていて、褒め言葉として使っているのかもしれませんが、「ダダに似ている女性」という表現は、一般的に褒め言葉ではありません。というか、ダダを知っている若い女性は少ないかもしれません。
このように、“ちょっとズレた表現”を無意識にしてしまう人は、結構います。しかし、これは友人間だから許されていることであって、ほかの場所でやると、ひんしゅくを買うことになるでしょう。
もし、「この子は私の大事な友人だ」と思ったら、表現方法がズレている、ということを指摘してあげた方が本人のためでしょう。
どう指摘すればいいのか
では、具体的にどう指摘してあげればいいのでしょうか。この場合、本人の「相手を褒めたい」という気持ちは尊重しなければなりません。
問題は「表現方法」にあります。自分と他人は、価値観が違います。「かわいいね」と言われても、嬉しい人とそうでない人がいます。
かと言って、全部のニーズに応えることはできません。必ずしも、“かわいいと言われたい人”に対して、「かわいいね」と言ってあげられるか、と言えばそうではないからです。
ただし、そのために“一般的な認識”があります。つまり、相手を褒める場合に使用する、可もなく不可もない無難な表現です。
社交辞令がこれにあたりますが、「髪型変えたんだ」に対して「似合うね」という、セットになった表現方程式を模する、ということが“一般常識”です。
そのため、ちょっとズレた友人に対しては、「ここでは許されるからいいけど、社会に出たらそれをやっては誤解される」と指摘した上で、“相手が喜ぶ一般的な表現方法”があることを伝えましょう。
ズレとの接し方
とは言え、そのような友人のズレをまるごと受け止めることが出来るのが友人ですし、また、そういうズレそのものを許容していくことが、やさしい世の中を作る、ということなんだと思います。
ズレとの接し方、としては「ああ、この子はきっと精一杯褒めてるんだろうな」とか、「きっと他に表現が思いつかなかったんだろうな」と推測して、おおらかに受け止めてあげることです。
無理に接し方を模索する必要はありません。ただ、人によってはそれを「侮辱」と受け取ったり、「差別」と受け取るなど、誤解が発生することもあります。
友人同士だからこそできる指摘、友人だからこそできる許容で、その友人をバックアップしてあげる、ということが大切です。