早いもので桜の季節も終わり、気づけばもう5月になりました。気持ちのいい陽気ではありますが、五月病という言葉もあるくらい、気持ち的には少し不安定になる人もいるかもしれません。
みなさんは大丈夫でしょうか。
4月から新しい会社や部署に入った方は、新しい仲間や仕事にもだんだんと慣れてくる頃かもしれません。新しい環境に入りたての時って、まわりから優しくしてもらったり、面倒を見てくれる人がいたりして、不安ながらも《歓迎》ムードの中でなんとか乗り越えられるのですが、だんだんと馴染んでまわりが見え始めたとき、<見たくないもの>まで見えてしまって苦しむ人、結構いらっしゃるんです。
「新しい環境に入ったとき、初めは上手くいくのに、慣れると疎外感を感じてしまう。いつもその繰返しなんです。」
このような悩みを抱えている人はたくさんいらっしゃいます。
こういう場合、本人の深層心理は「この場所に長くいたことで、私のダメなところがまわりにバレてしまった。だから初めの頃に比べて、まわりの態度が冷たいんだ」と解釈して、自分を責めてしまうことで苦しくなってしまうんです。
ところが実際は、まわりはそのようには全然思っていなくて「馴染んだみたいだから、もう大丈夫」って《受入れた》からこそ、過剰に気を使ったり面倒を見るのを止めただけのこと。
最初に比べてまわりが気遣ってくれなくなった、優しくなくなったのは、呆れたり、ダメだと思ったわけではなくて、
- 「この人なら自分でできる」
- 「あなたならここまでできる」
っていう期待と信頼を抱き始めたサインでもあるんです。自分では「難しい・・・」「無理!」と思っても、まわりは客観的な目線で<大丈夫>って感じているのです。
純粋だったり、敏感な人は、まわりが急に変わったことがとても大きな変化に感じられるので、よけいに戸惑って苦しんでしまうかもしれません。
さらに、自分がまわりの人に好かれる自信がないと「やっぱり、こんな私は好かれないんだ・・・」って自ら心を閉ざしてしまう人も少なくありません。(念のため言っておきますが、純粋さや、敏感さは悪いことではないんですよ。扱い方さえ身につければ、唯一無二の才能ですから自分が感じる感覚は大切にしてくださいね。)
例えば、産まれたての赤ちゃんが何もできなくても、お母さんが面倒を見てくれますが、だんだんと成長して幼稚園に行く頃になると、着替えもご飯も「自分でやりなさい」って言い始めますよね。だからと言って、子供を嫌いになったわけじゃないんです。もちろん。
「一人でやらせる」というのは子供が社会に出て困らないようにという、母親の愛情です。「大丈夫、あなたならできる」と思っているからこそ、失敗しても何度でも挑戦させてくれるのです。
初めの頃に比べて、まわりの態度が変わったことで「やっぱり私はダメなんだ」と落ち込んで、ビクビクした態度をとるようになると、逆にまわりの人たちが「何か、悪いことしたかしら?」と不思議に思われて、近づきにくくなってしまいます。
そうすると本人はよけい、「やっぱり私は嫌われているんだ」と落ち込んで、ますます卑屈な態度になってしまいます。これでは本末転倒、ですよね。
そのまま悪いスパイラルにはまって、人間関係がしんどくなったまま転職すると、次の場所でも同じことが起こってしまうのは想像にたやすいですよね。
新しい環境に入りたての頃は、はっきり言って「特別扱い」してもらえます。上司も同僚も、先輩も、友達も気を使ってくれます。心地よくて印象的なぶん、その状況が《普通》だと思うと、慣れてからが苦しく感じてしまうことがあるかもしれません。
実際は、2~3ヶ月経ってから見えてくる環境のほうが、その場所の本当の顔に近いものがあります。
入りたての時に、「今は特別だよ」なんて、誰も教えてくれないかもしれませんが、このことを頭の片隅に置いておいてもらえたら、最初の歓迎ムードが冷めた時に、自分のせいだと思ったり、自信を無くしてしまうことが減るかもしれません。
苦しい環境で、無理してまで続ける必要はありませんが、自分で自分を責めることで苦しまないでもらえたらなって思っています。
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