「毒親」…耳にしたことがあるかもしれませんが、実際「この人は毒親です」とハッキリ認定するのが難しい問題で、それだけに“隠れ毒親”の存在に苦しむ人は多いのです。家庭内で肉体的な暴力があれば、それは立派な虐待ですが、言葉や態度でジワジワ追い込んだり、親の権利を使って子供の自由を奪うようなことがあれば、それは「目に見えない虐待」です。
毒親の多くは、「自分は毒親だ」という自覚がありません。それゆえ、その環境下で育った子供たちは、「親が悪いのではなく、自分が悪い」という感覚や「なぜか苦しい、原因がわからない」というモヤモヤしたものを抱えたまま大人になります。そのモヤモヤを抱えたままで、恋愛や結婚の壁を乗り越えられない若者が急増しています。また、精神的に独立しなければできない「結婚」を、親が阻む事案も増えています。
今回は、そんな目に見えない「私が結婚できない理由」を、毒親の支配、という観点から考えてみましょう。
毒親に支配されている女性
恋愛も結婚もしたい!けれど、自分が恋愛や結婚する姿を想像することに違和感を覚える。また、親から祝福されることに違和感を覚える。このようなことがありませんか?
恋愛や結婚の話を両親にすると、嫌な顔をされる、話題を変えられる。これに対して、やはり「どうして?」と違和感を覚えることもあるかと思います。
もし、あなたの両親が毒親であるのなら、結婚できない原因は、現在も両親にコントロールされている。もしくは、かつての両親のコントロールを信じ実行している、からかもしれません。
毒親の支配下で育ってしまった子供は、残念ながら自分でそれに気づくことができません。なぜなら、生まれたときからそれが「当たり前」になっているので、それまで違和感を覚えることなく育ってしまったからです。
毒親にコントロールされている間は、サイズの合わない服を着せられて「似合うわよ!」と言われている状態。自分では気に入らないし、周囲にも変だと言われますが、逆らうことができません。
つまり、そのサイズの合わない服を脱ぎ捨てて、自分にぴったりの服を自分自身で見つけることができるようにならなければ、恋愛もうまくいかないし、結婚もできません。
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本当の意味での自立
毒親からの支配は、単純に「一人暮らしをすれば終わる」とか「経済的に自立したから終わる」というものではありません。また、両親が亡くなっても続きます。
頭の中に、小さな両親が住んでいて、それが“どこに行って何をしようにも”いちいち口出しをしたり、指示や批判を繰り返します。
それが的確なアドバイスや、本当に自身のためになる言葉であればいいのですが、毒親は文字通り「毒」なので、その人を萎縮させてしまうだけの言葉しか浴びせません。
親は偉大かもしれません。また尊敬に値する、素晴らしい人物で、大切な家族です。しかし、「これはあなたのためなのよ」と言いながら、「それじゃダメだ」「なぜできないんだ」と批判ばかりする両親が“子供想いの良い両親”なわけがありません。
これらの支配やコントロールを完全に断ち切ることが“真の自立”であり、まだコントロールされている状態であれば、結婚は難しいかもしれません。
また、“親に変わる新しい支配者”を求める女性が、支配的な夫を持って苦しい結婚生活を送る、という地獄のようなパターンも大変多いのが特徴です。
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結婚とは「ひとりになること」
よく結婚というのは「ふたりが協力して家族を作る」みたいなことのように言われますが、現実はそうではありません。
「自分の足で立てるようになった人間同士が、団体を作る」これが結婚です。「私、ひとりじゃ立てない」「俺もひとりじゃ立てない」というふたりが結婚しても、おままごとにしかなりません。
毒親の支配下で育った人は、根本的に依存体質です。さらに、愛情が足りないので承認欲求が強く、周囲の人間関係でトラブルを抱えがちです。
だからダメ、というのではなく、「結婚すれば孤独ではなくなる」という思い違いを改めて、「孤独でも生きていけるようになる」という強さが必要です。
自分の両親が毒親だった、と知ると「そうか、だから私は何をやってもうまくいかなかったんだ」と理解できる反面、「じゃあ今までの常識が間違っていた?」と虚無感に襲われることもあります。
もし結婚したいのなら、変化を恐れてはいけません。今までの間違いを、ひとつずつ壊し、新しい価値観でモノを見る訓練をしなければなりません。
「理由がわからないけど辛い」「なぜか周囲と溶け込めない」「何事にも違和感を覚える」「悪いことはしていないのに責められている気がする」
植えつけられた「毒」を排出して、新しく“自分らしい自分”を手に入れたとき、ようやく望む形の恋愛や結婚ができるようになります。
確かにこれは簡単なことではありません。今は辛いと思いますが、自分を否定するのではなく、“毒親の毒”を否定して進んでいきましょう。
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