年上にタメ口。今までタブーとされてきたことを平然とやってのける強者の女子社員。訂正する気もさらさらなく、彼女たちにはそれが当たり前。
うーん、頭が痛い。さて、敬語が使えない若者が増えた、と言われる昨今、ゆとり世代だのなんだのと言われる人々も社会人になりました。
新種のモンスターとして、この“タメ口女”が登場したわけですが、どうやら珍しくないようなのです。うちの職場にもいる!という人の話をよく聞きます。
では、この「先輩にも上司にもお客さんにも、徹底してタメ口」という職場の女子社員の心理ってどうなってるんでしょうか。
1、タメ口女子=海外からの留学生
英語圏では、家族や友人以外に、職場などでも名前で呼ぶ文化があって、いちいち職場の上司に「Sir!」(男性に対する敬称)なんて言わないです。
日本はその点独特で、敬語があることもそうですが、年上の人は自分より上の人だから敬うことが当たり前、という複雑な文化…と言えるかもしれません。
職場でタメ口を使う女子は、今まで成長する過程において、この複雑な文化をすっとばしてきた可能性があります。
学校では部活に所属せず、アルバイト経験もなく、先生にもタメ口をたしなめられることもなく、両親とは当然タメ口。ある意味、恵まれた環境でのびのび成長した、と言っていいでしょう。
彼女たちは、「タメ口=悪いこと」という認識はありません。つまり、“海外から留学してきた、ちょっと日本語がわかる外国人”のようなもの。
そのまま放置しても構いませんし、教えるなら一生懸命最初から日本の文化を教えるつもりで腰を据えてやる必要がありそうです。
2、仲良くなりたい
そもそも、基本的にタメ口を多様する女子は「誰かを陥れてやろう」などという主旨でタメ口を使用しているわけではありません。
“相手を不快にさせたい”という心理でタメ口を使用しているわけではないのです。ということは、タメ口を使うということは、むしろ“相手と仲良くなりたい”という心理の方が強い。
上司であろうが先輩であろうが、話をして楽しくて、仕事をしていて成果にも繋がる。そういうプラスの面を想像している可能性は十分にあります。
子供同士が対等に遊ぶ場合、相手に敬語を使うと逆に気味悪がられると思いますが、「タメ口を使うと、相手との間に壁を作ることになる」という心理が働いているかもしれません。
自分が大人である、という自覚が足りない、と思われるかもしれません。しかし、「大人・社会人」としての対応としては失格ですが、“立場や肩書きをとっぱらった人間同士”という意味では、ある意味間違っていないのかもしれません。
3、言葉を知らない
また、言葉というのは複雑で、自分では気持ちがあっても、言葉でうまく表現できなければ相手に伝わらないというジレンマがあります。
タメ口女の共通点として、“言葉を知らない”という点が挙げられます。勉強してこなかったのか、それとも学ぶ機会がなかったのかはそれぞれですが、それだけ“普通に会話する”ということは高度な技術が必要です。
頭から「あいつはタメ口だからダメだ」と否定するのは簡単ですが、“語彙力がない・文章力がない”と分解してみると、タメ口しか使えない理由、というのが見えてきます。
人にはそれぞれ得意不得意がありますから、その人の“言葉を知らない”という点が、あくまで「不得意な点である」という見方をしてあげるようにしましょう。
悪い奴じゃない
私も今まで職場に新人で入ってきたタメ口女子の教育係をしたことが何度かありますが、彼女たちはみんな悪い奴ではありませんでした。
むしろ、陰でコソコソするような悪知恵の働く女性より、いい奴だな、と思った記憶があります。タメ口を向けられると、人は「馬鹿にされた」「下に見られた」という心理状態になるかもしれません。
しかし、彼女たちにはそんな意図はなく、「みんな平等でいいじゃん?」「仲良くなろう!」というあっけらかんとした気持ちしかないんだと思います。
よく「外見で人を判断してはいけない」と言われますが、「タメ口だからあいつダメだ」と切り捨ててしまうのも、よくないんじゃないかな、と思います。
タメ口を向けられて不快な気持ちになることがあるかもしれませんが、相手は「言葉の使い方をよく知らないだけ」です。社会人としては困った人材ですが、きっと付き合ってみると人間味のあるいい奴かもしれません。