私たちは普通に生活している上で「これでOK」とか「これではダメだ」とジャッジする部分は多いと思います。
部屋を片付けることや、朝きちんと起きること、食事の内容や仕事のこともそうです。大体、「ちゃんとしている」とか「きちんとすること」というのは基準が曖昧で、人によって合格ラインは全く異なります。
部屋を散らかしても「いいや!」と思える人もいれば、「いや、こんなんじゃダメだ!」と思う人もいます。
さて、今ちょっと心に苦しみを抱えている人は、誰かに「お前はダメだ!」と言われたから苦しいのでしょうか。もしかしたら、自分で自分に合格点をあげられないから辛いのでは?
今回は、自分を認めて褒めてあげる“自己肯定感”これが薄いのは、過去にとらわれているからでは?両親の教育に原因があるのでは?という点から見てみたいと思います。
1.親が与えた合格ライン
「これじゃダメだ!私ってなんてダメなんだ!どうしてこんなこともできないんだ!ダメ人間!」…とまではいかないかもしれませんが、自己否定感が強いと、それだけで生きてるのが辛いと思います。
どうして自分を否定したくなってしまうのか…これは、もしかしたら、幼少期に親から与えられた“合格のライン”のレベルが高かったから…ではありませんか?
もちろん人によって理由は様々あるのですが、幼い子供にとって親(もしくはその立場にある人)は世界のすべてです。その親から「ここまでできなければ愛してあげない」と言われたら、なんとかそこまで到達しようと頑張るのではないでしょうか。
しかし、人にはそれぞれ個性があって、たとえば「身長180cm以上になりなさい」と言われたって、自分ではどうしようもありません。
でもなんとか親に愛されたいがために、合格ラインを目指して頑張りますが、なかなか到達できない、完璧にはなれない。このような原因で“自己否定感”に悩む人は少なくありません。
2.親が大事にしてくれた=自分を大事にできること
自己肯定感とは「自分よくやったじゃん!」と、肯定してあげること。
自分が自分の一番の味方になってあげること、なのですが、自己否定感を持っている人は自分のことが嫌いなので、いつも否定的になります。
もし自分の隣にいつも一緒にいる人がいるとして、「今日は頑張ったね!」と声をかけてくれるのか、それとも「なんだ、そんなこともできないのか」と声をかけてくるのかで、だいぶ気持ちの持ち方が変わってくるでしょう。
この「もうひとりの自分」を育てる時期が幼少期なのですが、もし親に「お前はなんでそんなこともできないんだ!ほかの子はできるのに」とか「それダメでしょ!」と言われ続けると、もうひとりの自分は歪んでしまいます。
自己肯定感が強い人は、言い換えれば“親に大事にされた人”もしくは“きちんと褒められて育った人”です。
自己肯定感が薄い、ということは“自分を大事にしてあげられない”ということ。この根本的な部分がしっかりしていないと、何をやっても満足感は薄く、踏ん張る土台がないのでうまくいきません。
3.親を恨む…意外に
でも、ここまで育ってしまって、今更「育てなおす」というわけにもいきません。
もう手遅れなのでしょうか。親を恨んでも仕方がありませんし、かと言って自分が悪い…というわけでもありません。
むしろ、あなたは自分に厳しすぎたのです。不可能な完璧を目指しすぎて、心はボロボロかもしれません。
何事もほどほどでいいのです。生きているだけでも偉いのです。
親を恨んでもいいと思います。親のせいにしてもいいと思います。ただ、親のせいにしても、物事は改善には進みません。
自己肯定感を今から自分に浸透させるのは、きっと一朝一夕ではできません。鏡を見れば「なんでもっと痩せられないんだデブ!ブス!」と毒づいてしまうかもしれません。
けれど、そんな“自分を許せない自分”も丸ごと「もう…ほんとに、ツンデレで可愛いな!」と思えるようになることが、苦しみから逃れる道かもしれません。
「ダメな自分を丸ごと愛する」…言葉で言ってしまうととても簡単ですが、実際はすごく難しいことだと思います。
でも、親に大事にされなかった過去も、自分の点数に辛かったことも、「うんうん、そういうこともあったよね。でもいいんだ!今が楽しくて、こいつ(自分)と生きていくの面白いもん!」
と言えるように、毎日コツコツ、自分を小さなことから褒めていくようにしましょう。
自己肯定感は自分を褒めて認めてあげること。それを意識的に行うことで、癖をつけていきましょう。