「女が枯れる」耳触りの良い言葉とは決して言えませんが、隣近所、会社、通りすがり、周囲を見渡せば「彼女、枯れてるなぁ」と、つい憐憫の視線を向けてしまう女性は存在します。
いえ…もしかすると、自分も気付かないところで「枯れた女」として哀れみを受けているかもしれません。年齢を重ねる程、身体的な瑞々しさが失われていくことに抗うことはできません。でも、内面からの潤いで補うことは充分に可能なはずです。逆に、内面が満たされていないと、若い人でも立ち枯れしてしまうでしょう。「枯れる」とは、どんな状態を指すのでしょうか？枯れずにいつまでも瑞々しくいる為には、どうすれば良いのか考えていきます。
身なりが枯れると、女も枯れる
高価なブランド品を身に着けさえすれば華となる、というものではありません。
「馬子にも衣装」と言いますが、着こなしていなければ直ぐにぼろが出ます。その服は、身体にフィットしていますか？自分に似合うデザインや色を熟知していますか？TPOをわきまえていますか？仕立ての良い高級素材のものは見映えも良く、身にまとえば背筋も自然と伸びるかもしれません。服装と姿勢は、切っても切り離せないほど密接です。たとえ廉価な服であっても、姿勢の良さが七難を隠します。
マナーが枯渇して、枯れた女ができあがる
電車に乗れば漏れ無く枯れた女性に出会えると言っても過言ではありません。
丈の短いスカートをはいたなら、足にまで神経を行き渡らせましょう。臆面もなく足を無造作に広げて座る姿はまさに枯れ草です。車内で飲食やメークをする女性がいますが、カフェや化粧室でさえも隣席とはもっと離れているはずです。横に座っている人が不愉快な思いをするのでは、と配慮する気持ちも起きないのであれば、既に心は朽ち果てています。袖振り合うだけの人に対しても気を配る女性は、心豊かだからできるのです。
知的好奇心・向上心が欠乏し、枯れる
語彙が豊富で綺麗な言葉遣い。そして、そこからは必然と知的な会話が生まれます。社会に出ると、自分が如何に何も知らなかったかを思い知らされます。学校で教わったことが、世の中のたった一握りに過ぎなかったことに気付かされます。勉強に限りはありません。枯れる一因に、知的好奇心、向上心の欠如があります。
枯れの重篤症状は無表情
枯れの重篤症状は、表情の枯れです。表情が乏しいのです。感情が豊かであれば自ずと喜怒哀楽のはっきりした表情になります。言わずもがな喜と楽の表情が多いに越したことはありません。年齢を重ねれば、顔にシワができるのは仕方の無いことです。でも、それが笑いジワであれば、鏡を見ても自分の顔が愛おしくなってくるのではないでしょうか。毎日のちょっとしたことにでも感動を覚え、感謝する。その累積が心を潤し、精神的な瑞々しさを保つ源になるのです。
おわりに
「枯れた女性」の典型を書きながら、「枯れる」の反義語は「洗練」かもしれないという思いが湧いてきました。「洗練」とは、優雅で品位の高いものに磨き上げること。つまり、切磋琢磨しなければ手に入らないものです。枯れてしまうのは、自分自身を磨くという努力を放棄した結果です。些細なことでも良いから、感動し興味を持ちます。他人にも心を配ります。良い姿勢を保ち、健康に気を配ります。そして、知的好奇心を持ち続けます。自分を磨くには、やることがいっぱいです。枯れている暇なんてありません！
